「いつかは自分の腕一本で独立したい」
技術を追求してきた療法士であれば、そう考えたことがある方も少なくないかもしれません。上司や先輩、同期らに相談すると反対の声が聞こえてくることも少なくないと思います。そして、家族の理解を得るのが難しいという意見も多く聞かれます。
なかなか簡単な世界ではありませんが、「絶対やりたい!」と思ってるのなら、その道に進むということも1つの選択肢だと思います。
進みたいけど、何から始めていいかわからない。
選択肢に入っているけど、迷って悩んでいる。
興味あるけど、イメージが湧かない。
そんな方に読んでもらえると嬉しいです。
1人で独立することを選んだ方、もしくは今後志している方のために、3年間経験してきている自費リハビリのこれまでを踏まえて綴っていければと思っています。
「自費リハを目指す療法士が知っておくべき7つのポイント」
- 周りより臨床できる“だけ”では難しい
- 選ばれるための手段と戦略を知る
- 生き残るための経営者目線をもつ
- 「コンプライアンス遵守」第一
- 組織で生きる人は、起業しても生かせる
- 不変のクライアントファースト
- とにかく「行動」すること
これらのポイントは、上手くいく方法ということではなく、上手くいくために考えるきっかけの材料になればと思っております。
1.周りより臨床できる“だけ”では難しい
技術で独立を考えている療法士が考えることはほぼ同じような気がします。
「周りより知識と技術を磨いているのに、なんで給料が一緒なんだ」
「先輩が休みの日に代わりに担当した患者さんに”あなたの方がいい”と言われることが増えてきた」
「患者さんに”独立したら絶対あなたにお願いする”とよく言われる」
このような類のことを言われたり、考えたりして、「本当にこのままでいいのだろうか?」と自問自答し、「よし、腕一本で独立しよう!」と決心するパターンが1番多いと思います。
自分の技術腕一本で独立を志して動いてみると、実際には技術だけではクライアントに選んでもらうお店になるためには何かが足りないことに気づきます。
病院では、周りの療法士より少し技術が高くて、知識もあって、ある程度アプローチの反応が出るようになってくると、確かに目立ちます。
ですが、
それは、その病院内限定の話なのです。
病院内では周りに比較対象が見えていて(単純に療法士同士の比較だけではありませんが)、比較的優位性がわかりやすい環境にあります。
しかし、病院の看板が外れて、一般市場の中に出てみると、クライアントから見て、比較対象が多すぎて、とてもじゃないですけど、あなたのことを見つけてはくれません。
技術による自費の独立の場合、技術を発揮する前に、「まず、目の前にクライアントさんに来ていただくこと」の方が難しいことだと気づくはずです。
「このサービス(技術)をどう届けるか?」
療法士の私たちは、病院に勤めている間は病院の看板で患者さんがきます。
その、どう届けるかを学んでこなかったからこそ、そこで苦戦することが多いのだと思います。
自費リハビリで独立しようとする多くの療法士が、最初に準備として思い浮かぶのは…
- 技術(資格)の獲得
- 起業資金の捻出
- 店舗の立地
- 価格設定
- ホームページを作成
- 名刺やリーフレット作成
などを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、これら“形”だけの準備でスタートしてしまうと、あとで困ることになるかと思います。
そうなのです。
「世間は誰もあなたのことを知らない」
自費領域で本当に必要なのは、治療技術よりも、それを知ってもらう技術の方が大切と言っても過言ではありません。
(誤解のないように補足すると、技術はもちろん大切です。これは当たり前です。)
よく、マーケティングという言葉を耳にしますが、その”知ってもらう技術”というのもその1つです。
一般市場で自分のことを知ってもらい、そして選んでもらうためにどんな働き掛けをするのか。
臨床技術以外にもやるべきことがたくさん増えてきます。
チラシ作るのか?
SNSはどうするのか?
それらはどう選ぶのか?
次の章で、その手段と選択肢の考えを少し述べさせていただきたいと思います。
ぜひ、続きをお読みいただけますと嬉しく思います。