ナラティブリーズニング(物語的推論)は、「人をみる」という事に関するリーズニングプロセスを指します。

ダイアグノシスリーズニング(診断的推論)と協働関係にあり、互いを補うような関係にあります。

ほとんどの徒手療法の学派は、ダイアグノシスリーズニングを重要視し、ナラティブリーズニングに関しては、個々のセラピストの力量に任されているというのが現状です。

実際、マニュアルセラピーを学ぼうとした時に、ダイアグノシスリーズニングについての詳細な講義はあったとしても、ナラティブリーズニングについての詳細な講義は、ほとんどありません。

もし、これらの事を詳しく学びたいと考えた場合、理学療法領域からは少し外れて、心理学がカリキュラムに組み込まれた大学の学部に入る必要があったり、臨床心理士を目指す必要があったりと、かなり敷居の高い領域となっています。

また、そういった専門領域で学んだ場合は、徒手療法に強く関連した心理学・臨床心理学を学ぶわけではないので、これを理学療法領域に還元しようとすると、かなり遠回りでもあります。

このナラティブリーズニングをテーマに取り上げた特集シリーズでは、私なりに学んできた心理学領域の知識を、徒手療法と関わりのある心理学領域に絞り、さらに自身の臨床と照らし合わせながら記事にしています。

担当: 棚原孝志


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