運動器リハビリテーション 診断学とエビデンス 2.椎間板ヘルニア患者のリハビリ初回で考慮すべき事 理学療法士が必要になってくる診断に関する知識の例として、椎間板ヘルニアと診断されてリハビリ処方となった場合を挙げて解説します。 腰痛治療に関わる理学療法士が診断に関する知識を持たないといけない理由については、前回記事で解説させて頂きました。 本記事では、腰椎椎間板ヘルニアと診断されてリハビリ処方となった患者を例に、理学... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 診断学とエビデンス 1.理学療法士と診断学 腰痛があり、脚に痺れを伴う代表的な疾患は何でしょうか? 本特集シリーズは、「診断」に焦点を当てた内容になっています。 診断は医師がするもので、理学療法士・作業療法士が一切関与する必要はないと思われている方もいるようですが、これを知らない理学療法士・作業療法士は適切なクリニカルリーズニングは行えません。 病院に勤める療法... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 臨床推論におけるナラティブリーズニング 7.ナラティブとユーティライゼーション ナラティブとは、「物語」と和訳されています。意味合い的には、「ある真実に対してその人それぞれに解釈の仕方がある。」と以前の記事で説明させて頂きました。 今回新たに出てきた「ユーティライゼーション」とは、治療者側のスタンスのことで、治療に利用できるものは、何でも治療の道具にしようというものです。 理学療法士や作業療法士の... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 臨床推論におけるナラティブリーズニング 6.その人をみて質問の仕方を変える事の重要性について 理学療法士側から投げかける質問に、ナラティブというものを取り入れると少し臨床が変わってきます。 今までのクリニカルリーズニングの記事でも、部分的に取り上げられている事ですが、理学療法士側から質問を投げかける際のナラティブリーズニングについて解説します。 例えば、初回の治療を終了し、2回目の治療場面で、前回の治療後の結... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 臨床推論におけるナラティブリーズニング 5.病態を細かく説明すべきかを物語推論の視点で考える 患者から、「私の腰はどうなっているのですか?」と聞かれた際、理学療法士のほとんどの方は、病態をしっかり患者に説明すべきと思っているのではないでしょうか? 人によっては、しっかり時間をとって丁寧に説明されている方もいるかもしれません。 この事をナラティブリーズニングの視点から考えてみたいと思います。 前回記事では、「患者... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 臨床推論におけるナラティブリーズニング 4.ラポールの形成、適切な治療関係の構築 治療をすすめていく上で、重要になってくるのは、徒手的な治療技術があるか、という事よりも「患者と適切な治療関係を築ける能力があるか」だと思っています。 これができない状態であるなら、スタートラインにさえ立てていないので、治療技術うんぬんの話ではありません。 ラポール形成や、適切な治療関係についてナラティブリーズニングとい... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 臨床推論におけるナラティブリーズニング 3.ナラティブは対象なのか、方法なのか ナラティブとは、物語と和訳され、 「人それぞれの解釈」をセラピストの働きかけによって、変化するきっかけを与える事 と説明してきました。 この場合、患者のナラティブをリーズニングやセラピーの対象としています。 しかし、ナラティブが複雑になってしまう1つに、ナラティブを治療手段として用いる事も含めてナラティブという点です。... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 臨床推論におけるナラティブリーズニング 2.認知行動療法に物語推論の要素を取り入れる 「人をみる」という事が意味しているものとして、前回記事では 「ある事柄が起きた時、その反応は人それぞれ」というような事を解説してきました。(使用している言葉そのものは違います) この反応の違いを「解釈の違い」によるものとしましたが、これを認知行動療法で行われる正の強化と合わせて、ナラティブリーズニングについての解説をし... 棚原孝志
運動器リハビリテーション 臨床推論におけるナラティブリーズニング 心理社会的アプローチ 1.心理社会的アプローチとしてのナラティブリーズニング クリニカルリーズニングには、ナラティブリーズニングという領域があります。 ダイアグノーシスリーズニングが身体に対する従来のアプローチであり、ナラティブリーズニングは1人の「人」として心理社会的領域からアプローチしようとするものです。 クリニカルリーズニング アプローチ 対象 ダイアグノーシス 診断的アプローチ 身体 ナ... 棚原孝志
運動器リハビリテーション ハンズオンからハンズオフ、自己管理へ セルフケア 5.セルフエクササイズの重要性を認識してもらえない理由 セルフエクササイズ(自己治療)を導入していく中で、セルフエクササイズの重要性をあまり認識していないと感じる患者がいます。 この背景に潜んでいるものについての私見と、その対策についてを述べさせて頂きます。 当記事では、痛み治療現場でのクリニカルリーズニングにおける「セルフエクササイズの考え方」をテーマに解説しています。 ... 棚原孝志