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「2.疼痛誘発検査で痛みを再現できた時の次にとるべき行動」
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2.疼痛誘発検査で痛みを再現できた時の次にとるべき行動

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これまで「コンパラブルサインを確認した後は、関連するその他の疼痛誘発動作を確認しましょう。」という事を伝えてきましたが、ここからは、誘発する事ができた刺激(検査)そのものをどう解釈していくかについて解説していきます。

つまり、疼痛誘発検査で痛みを再現できた時の次にとるべき行動をテーマに解説していきます。

 

患者が症状(疼痛)を訴えている部位に対して、疼痛誘発検査を行い、その症状を再現できたところからを想定しています。

その時の刺激に対する反応を確認することで「その刺激が、対象者にとって適切な物理的刺激となりえるか」を評価することもできます。

疼痛検査で痛みを訴えたからではなく、「患者の訴える疼痛を再現できた」と言える疼痛検査陽性部位を対象にしています。

もし、疼痛検査にて、いくつかの疼痛が再現できた場合で、どれが日常生活上で感じている症状かが明らかではない場合は、まずは相対的に可能性が高いと判断できる部位を評価対象とする事をお勧めします。

 

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まずは、再現できた疼痛の「再現性」を確認

対象とする痛み(主に運動時痛)が決定したら、次に、再現できた疼痛刺激を数回反復してみながら、その「再現性」を確認します。

なぜなら、再現性のない疼痛は、現時点では、治療対象としての優先順位は高くないからです。

 

痛みが再現された時に、患者に以下のように聞く事で、その確認をとる事ができます。

「まさに、この痛みが、あなたが日常的に感じている痛みと言えそうですか?」

このように確認をとることで、治療対象になりえるかを確認することができます。

そして、その痛み刺激を一旦止めた後、再度繰り返しながら、「再現性」を評価する事ができます。

ここで、もし再現性がなければ、治療対象としての優先順位は高くありません。

また、数回の繰り返し中で、イリタビリティーやセンシティビティーなどの、「臨床的に疼痛刺激を反復すべきでない」と判断すべき反応を示さないかまでを合わせて評価しておきます。

ここまでで問題がないのであれば、患者の症状に大きく関連するであろう身体部位に対して、試験的治療や検査への反応を見ながら評価を進める事ができると判断できます。

よって、再現された疼痛の「再現性」を評価することが最初にとるべき行動です。

「再現性」の評価中にみられる反応によって、疼痛の状態を臨床的に分類する事もできます。

 

イリタビリティーやセンシティビティーなどがみられる場合

もし、イリタビリティーやセンシティビティーなどの、「臨床的に疼痛刺激を反復すべきでない」という反応がみられる場合は、かなり弱いグレードで治療をするか、リバーシブルな刺激を用いる事が選択肢の中にあります。

 

例えば、関節包内運動の圧縮刺激で疼痛が誘発され、その反復でイリタビリティー陽性を示せば、かなり弱いグレードで圧縮を繰り返し、「イリタビリティーの度合いが低減するか」を評価するか、

もしくは、

圧縮ではなく、牽引(つまりリバーシブルな刺激)を数回加えることで、「イリタビリティーの度合いが低減するか」をみていく事が出来ます。

臨床的にこのような対応で変化させる事ができる疼痛は、例え重度であっても予後良好、かつ機能的な問題によるものという事が言えそうです。

 

もし、このような事を考慮しても一向に改善がみられない、もしくは悪化するなどの場合は、徒手療法の適応ではない可能性が高くなります。

主治医への報告や、整体などの場合は、適切医療機関への受診を促す事ができます。

 

疼痛刺激を繰り返して「改善」が起こる場合

先ほどの説明は、疼痛を誘発できる刺激を反復してイリタビリティーの評価や、誘発された疼痛の「再現性」をチェックしていますが、臨床場面で起こる変化はこれだけではありません。

中には、その刺激を反復していると、疼痛が減弱・消失する場合があります。

患者の表現としては、「痛みに慣れた」という場合が、これに該当します。

 

この場合は、まさにその刺激が治療刺激になり得る事を示唆しています。

こういったタイプの痛みは、制限された可動域の最終域で起こる痛みの場合が多く、疼痛よりも抵抗感が先に出現し、その抵抗域からさらに動かそう(制限方向へ)とすると痛み出てきます。

最終域近くで、可動域訓練を繰り返すと、そこが抵抗域ではなくなって、その可動範囲内では痛みが出なくなり、最終域が拡がります。

これらは、エンド・レンジ・ペイン(最終域疼痛)と呼ばれ、その制限を取り除く(抵抗域に入っていく)治療刺激が効を奏します。

最初に抵抗域で出ていた痛みが反復によって改善する場合、その刺激は、改善が停滞するまで継続すべきです。

また、強度や治療頻度を上げれば効果が増す場合は、その反応に従って上げていきます。

ある強度を超えたり、ある頻度を超えると、一時的な効果はあるが、治療後に疲労感や一時的な症状悪化がみられる場合があります。

これらがない場合は、私自身は効果がみられなくなるまで、継続するのが最も良い選択だと思っています。

治療後の悪化については、

  1. 治療1時間後から
  2. 当日の夜と
  3. 次の日の朝までの間

で、起こらなかったかを患者本人から聴取(次回治療介入時の最初のタイミングで聴取)します。

この範囲(上記1〜3の期間)で悪化が起こらなければ、例え次の来院で症状の悪化が見られていたとしても、前回の治療による悪化ではないだろうと判断できます。

また、一旦、悪化した症状(不快感など)が1日で消え去り、それからはかえって調子が良い(治療前より)という場合は、治療刺激が良いように作用していると判断します。

この一時的な不快感を、患者自身が苦痛に感じないかを確認し、耐えられるというなら、その治療強度を継続するか、僅かに落とした強度で継続します。

もし、耐えられないという場合は、この強度での治療を継続すべきではありません。

後の症状悪化が耐えられない場合(比較的強い場合)は、それは抵抗域を大きく超えるような刺激になっている場合が多いです。

その他には、他部位の硬さがその疼痛部位を伸張(状態に)させてしまっている可能性もあります。そこに外部からのさらなる伸張を加えるような治療刺激を加えると、一時的な疼痛緩解はあっても、当日から翌朝までに強い症状の悪化がみられる傾向にあります。かなり短時間の即時効果のみという結果で、治療効果が消失してしまいます。

 

症状が「不変」の時

「検査によって症状を再現でき、それを繰り返したとしても悪化も消失もしない

このような痛みは、反復しても悪化もしなければ、消失もしない痛みなので、現時点では治療のやりようはありませんが、「再現性」の症状の安定性がはっきりとみられている痛みなので、

今後、何かしらの治療で、もし効果を示した時には、他の患者で治療効果を検証するよりも、

「〇〇という手技が、〇〇という症状を改善させた。」

という事を言いやすい患者と言えます。

こういった、繰り返しによる症状消失・悪化がみられない患者については、

試験的治療→検査(効果判定)→試験的治療→検査(効果判定)という繰り返しが何度でも可能なので、

療法士自身が持っている仮説を一つ一つ検証していくことができます。

上記のような臨床像を呈する患者を担当したら、より拘って仮説検証作業を行う事が、自身の成長を促進してくれます。

残念ながら、そうでない患者の仮説検証をこだわっても不確定要素が多すぎて、かえって結果の解釈に混乱を招く事になってしまいます。

まずは、疼痛刺激を繰り返しても、「症状が不変」という臨床像を呈する患者から、少しずつ経験を積み重ねて、徐々にそうでない患者にまで検証・考察の幅を広げていく事をお勧めします。

背伸びをせずに自分自身が解釈できる範囲で、仮説検証作業を行う事が最も成長の近道だと思います。

 

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痛みを再現できた時にとるべき次の行動についてのまとめ

再現性を確認する事の重要性について解説しました。

そして、再現性を確認するための疼痛誘発検査の繰り返しから、「症状の変化の仕方」について臨床分類で分ける事ができます。

① 疼痛が悪化するタイプ(イリタビリティー&センシティビティー陽性)

② 症状が改善するタイプ(アボリッシュ、痛みに慣れたと表現する患者)

③ 症状が変わらない不変タイプ

 

このうち、不変タイプ(③)が、今後の仮説検証作業で得た結果を解釈しやすい患者と言えます。

症状が改善するタイプは、その刺激そのものが治療刺激という事が言えます。その刺激は効果を見せなくなるまで繰り返す事ができ、効果がみられなくなった時に、不変タイプと同じように扱う事ができます。

①は、この時点で積極的な評価や治療を行う事を注意するべき患者なので、検証作業も消極的なものになるはずです。

 

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