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「4.半月板損傷」
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4.半月板損傷

膝痛の原因となる「半月板損傷」について解説していきます。

1.半月板損傷の概要

半月板損傷は1回の大きな外力によって生じる損傷(断裂)と、頻繁に膝関節に加わる外力によって生じる損傷(変性)があります。

前者は若年者のスポーツ経験者に多く、後者は中高年以降に多く発生します。

日本人の60歳以上では膝関節に痛みが存在しなくても 、その約40%にMRI上で内側半月板後角の損傷が存在するとされています。

そのため、リハビリの病名に「半月板損傷」と書かれていても、中高年者では半月板が膝痛の原因ではないことが多いことに注意してください。

2.内側半月板損傷の鑑別

内側半月板にストレスのかかる姿勢というのは、ニーイン・トーアウト(大腿骨内旋・下腿骨外旋)や内反膝(O脚)です。

断裂の状態によっては、①ロッキング、②引っかかり感、③弾発現象(クリック音)、④膝崩れなどが起こります。

臨床経験で書かせてもらうと、上記の症状が認められない場合は、たとえMRI上で内側半月板断裂があり膝関節内側痛が存在しても、それが内側半月板の痛みであることは少ないです。

徒手検査ではマックマレーテストが有効であり、膝屈曲位で下腿を外旋位に保持した状態から伸展させていき、痛みやクリック音が発生したら内側半月板損傷を疑うことができます。

ロッキングや引っ掛かりが認められる場合は、手術が必要となるケースが多いです。

3.内側半月板の亜脱臼

膝関節に変形や不安定性が生じると半月板が亜脱臼を起こし、荷重時に亜脱臼の程度が増加して膝の痛みや腫脹を引き起こします。

臨床で遭遇しやすいのは内側半月板の後内方への亜脱臼で、膝関節の屈曲拘縮や下腿の過外旋による影響が大きいです。

半月板の亜脱臼に対しては、サポーターで外側から圧迫することにより亜脱臼の程度を軽減させる方法が有効です。

    4.半月板損傷の治療法

    内側半月板損傷と密接に関わっている「下腿外旋症候群(膝関節の捻れ)」にアプローチしていくことで痛みが軽減するケースも多いです。

    方法としては、下腿外旋に関与する大腿二頭筋や外側広筋、腸脛靭帯をリリースしていきますが、側臥位にて大腿外側の組織間を中心に狙っていくといいです。

    大腿外側の中央では大腿二頭筋と外側広筋の筋間、大腿外側の遠位では大腿二頭筋と腸脛靭帯の組織間の硬さや圧痛を確認しながらマッサージをしていってください。

    下腿外旋症候群では膝窩部がタイトになっているケースも多いため、膝関節の捻れを修正する方向に滑走性を引き出していきます。

    その後に下腿内旋位での膝関節ROMexを実施し、膝関節の引っかかり感に変化があるか確認していきます。


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